虚血性心疾患とは、冠動脈の閉塞や狭窄などにより心筋への血流が阻害され、心臓に障害が起こる疾患の総称で、 狭心症や心筋梗塞がこの分類に含まれます。

心臓に酸素を運ぶ冠動脈の血管壁にコレステロールなどがたまり、動脈硬化が進むと、血管の内側が狭くなります。心臓を動かす血液が不足する虚血状態になると、運動した時などに胸痛や胸の圧迫感を感じるようになります。これが狭心症です。冠動脈が急に詰まってしまうと心筋梗塞となります。痛みは強度であることが多いですが、糖尿病歴が長いかたでは痛みをそれほど感じないこともあり、また痛みの場所が胸やみぞおちではなく、肩やのど、上腹部に生じたり、吐気や消化器症状を呈することもあります。症状が治まっている状態では心電図に大きな異常が認められない場合もあります。この場合心臓エコー、運動負荷心電図や冠動脈CT検査、冠動脈造影検査が必要となることもあります。